Harmonybeam 1.3をリリースしました。今回のアップデートは、これまでで最大となるリズム/演奏機能の拡張です。完全なリズムパターンエディター、コードごとに設定できる表現豊かなジェスチャー、そして自由にリサイズできる外部ウィンドウを追加しました。

Harmonybeamは、Ableton Liveの中でコード進行をより速く作り、試すためのデバイスとして始まりました。Version 1.3では、その考え方をコードやボイシングの選択だけでなく、コード内の各声部をいつ鳴らすか、各コードをどのように立ち上げるか、そして反復ごとにその動きをどう変化させるかへと広げます。

Pattern Editorとコードジェスチャーは別々のシステムですが、組み合わせて使えるように設計されています。パターンは、ベース、内声、トップノートをいつ鳴らすかを決めます。ジェスチャーは、コード内のノートがどのように現れるかを決めます。ストラム、アルペジオ、カーブを使ったアタック、カスタムのノート順などです。この2つを組み合わせることで、Harmonybeamやピアノロールを行き来せず、シンプルなコード進行から細かく作り込まれた演奏シーケンスを作れます。

以下、主な新機能を詳しく紹介します。すべての変更点はHarmonybeamの更新履歴で確認できます。

リズムプリセットを作れるフルエディター

カスタムの3レーンリズムパターンを表示するHarmonybeam 1.3のPattern Editor

Harmonybeam 1.3では、Rhythmメニューが本格的なパターン制作環境になります。空のグリッドからパターンを作成したり、ファクトリープリセットを編集したり、その結果を自分のプリセットとして保存できます。

Pattern Editorには3つのレーンがあります。

  • Bassはコードの最低音をコントロールします。
  • Bodyは内声をコントロールします。
  • Topは最高音をコントロールします。

ヒットは1つのレーンだけにも、複数のレーンにも配置できます。これにより、コード全体を単純に繰り返すだけではないパターンを作れます。ベースでひとつのパルスを作り、上の声部で応答する。内声で隙間を埋める。アクセントだけ3レーンを同時に鳴らす。Split Voiceのファクトリーパターンで使われていた仕組みを、自分のパターンにも自由に使えるようになります。

パターンの長さは16分音符で1〜16ステップです。ヒットは移動、リサイズ、コピー、複製、削除でき、通常の編集ショートカットも使えます。各ヒットには個別のベロシティがあるため、あとからLive上で直さなくても、パターンの中へ直接アクセントを描けます。

2つの編集モードが、異なる作業方法に対応します。Cursorは、ヒットやグループの選択、移動、リサイズ、編集に向いています。Pencilは、グリッド上へ素早くパターンを描くためのものです。1〜4ステップ間隔で描画でき、3つのレーンをリンクでき、Shiftを押しながら消去できます。

バリエーションを素早く作るためのツールもあります。パターンの反転、全消去、ヒット位置やベロシティのランダム化が可能です。ランダム化では、すべてのレーンを同じ動きに保つか、各レーンを個別に扱うかを選べます。ベロシティ範囲やリズムの解像度もコントロールできます。意図的な編集を置き換えるのではなく、すぐに手で整えられる出発点を作るための機能です。

ファクトリープリセット自体は変更されません。編集すると未保存のカスタムパターンになり、別の名前で保存できます。保存したパターンはファクトリーカテゴリーと並んでCustomグループに表示され、今後のセッションでも再利用できます。

各ツールとショートカットの詳細はPattern Editorマニュアルを参照してください。

コードごとのジェスチャー: ストラム、プラック、カスタムアルペジオ

複数のコードブロックへ適用したHarmonybeam 1.3のGestureエディター

リズムパターンが大きな時間グリッドを決めるのに対して、コードジェスチャーはひとつひとつのコードアタックを細かく形作ります。

ジェスチャーを使うと、コードのノートを有機的なストラムとして広げたり、カスタムのノート順でアルペジオを作ったり、上向きと下向きのアタックを交互に鳴らしたり、コードを繰り返すたびに複数のバリエーションを順番に切り替えたりできます。ジェスチャーはコードブロックに保存されるため、同じ進行の中でもコードごとに異なる動きを持たせられます。

基本のタイミングには2つのモードがあります。

  • Strumでは、選んだ全体時間の中にコード全体のアタックを配置します。
  • Arpでは、選んだレートが隣り合うノート間の間隔になります。

各ノートはリズムヒットの残り時間まで伸ばすことも、次のアタックグループが始まるところで止めることもできます。ベースを順序付きジェスチャーに含めるか、最初のアタックへ固定するかも選べます。ベロシティカーブとタイミングカーブを使えば、ジェスチャー内にクレッシェンド、デクレッシェンド、スウェル、加速、減速を作れます。

ジェスチャーは最大8つのHit Slotもサポートします。コードが繰り返しトリガーされると、スロットがラウンドロビン方式で順番に切り替わります。最初はコードを下から上へ、次は上から下へ、さらに次は完全にカスタムした順序にする、といった設定が可能です。ギターのような交互ストラム、機械的になりにくいプラック、方向が変化するアルペジオに便利です。

ジェスチャーは1つのコードにも、選択した複数のコードにもまとめて適用できます。設定のコピー&ペースト、プリセット保存、ランダム化、MIDIキースイッチによる切り替えにも対応します。新しいGesture Values表示を使えば、アクティブなジェスチャーを各コードブロックの下部に表示できます。

ノート順、カーブ、ラウンドロビン、プリセット、MIDIコントロールの詳細はコードジェスチャーのマニュアルを参照してください。

パターンとジェスチャーを組み合わせる

2つのシステムを組み合わせると、特に面白い結果が得られます。

3レーンのリズムパターンで、ダウンビートにベース、オフビートに内声、シンコペーションした位置にトップノートを配置できます。そして、それぞれのコードパートがトリガーされるたびに、ジェスチャーでノートを広げたり並べ替えたりできます。リズムはパターン単位で読みやすいまま、各コードの内部には独自の動きが加わります。

通常のコード進行から、変化し続けるストラム、ベースと上声部がかみ合うパターン、ラウンドロビンのプラック、複雑なアルペジオを作れます。結果はHarmonybeamのコードブロック、ボイシング、ボイスリーディング、クリップ同期とつながったままなので、ハーモニーを変更するたびにリズムのディテールをゼロから作り直す必要はありません。

リサイズ可能な外部ウィンドウ

Harmonybeamを外部のフローティングウィンドウで開けるようになりました。Ableton Live下部のデバイス領域に制限されず、ウィンドウを自由に拡大縮小できます。

横方向にも広げられます。単にインターフェースを大きくするだけではなく、追加された幅に合わせて表示できるコードストリップが長くなり、より多くのコードブロックを一度に画面上へ表示できます。長い進行、細かなリズム編集、Harmonybeamを中心にした作曲作業で特に便利です。

作業が終わったら、Return to Dockで通常のAbleton Liveデバイス表示へ戻せます。

Swingとその他のワークフロー追加

Version 1.3には、新しいリズム/ジェスチャー機能を既存のワークフローへ自然に組み込むための小さなコントロールも多数追加されています。

  • Swing 8/16では、アクティブなパターン全体へ8分音符または16分音符のスウィングを加え、スライダーで量を調整できます。
  • Bass Splitの動作では、ベース音をメインクリップから移すか、ベースクリップへ複製するかを選べます。
  • MIDI Triggers Use Rhythmを有効にすると、MIDIトリガーノートから演奏したコードが単純なホールドではなく、アクティブなリズムに従います。
  • Gesture Valuesでは、コードブロック下部のノート名や音程の代わりにアクティブなジェスチャーを表示できます。
  • Gesture Keyswitch Octaveでは、ジェスチャーのHit Slotを選択するMIDIオクターブを指定できます。
  • Chord Label Priorityでは、インターフェース全体でコードシンボルとローマ数字のどちらを優先表示するか選べます。
  • Default Velocityでは、個別に上書きされていないコードブロックの初期ベロシティを設定できます。
  • Phaseは16分音符単位になり、既存のリズムパターンをより細かくオフセットできます。

リズムをオフにする操作は、RhythmドロップダウンのXへ変更されました。従来はHoldプリセットをオフ状態として使っていましたが、これにより「リズムなし」と「音を持続するリズム動作」の違いが明確になります。

パフォーマンス、スケーリング、信頼性の改善

Harmonybeam 1.3では、クリップ同期とクリップ所有権管理に必要なバックグラウンド処理を減らしました。非常に長いクリップへの書き込み時間も改善しています。

macOSとWindowsにおける非標準解像度やAbleton Liveズームレベルで残っていたスケーリング問題も修正しました。さらに、コードストリップ上のホバー検出、ショートカットのフォーカス、ツールチップ、重なったMIDIトリガーで音が鳴り続ける問題、Circle of Fifths表記での生成時のスペリング、MIDI Configurationダイアログの臨時記号表示を修正しています。

クリップ管理に関する2つの特殊な問題も修正しました。同期中のトラックを複製して作られたデバイスが元デバイスのクリップへ書き込むことはなくなり、ベースクリップを含むトラックを削除した場合にもBass Splitの関連付けが正しく解除されます。

Harmonybeam 1.3と予定しているVST版

HarmonybeamのVSTインストゥルメント版は、2026年晩秋のリリースを予定しています。VST版の公開後は、既存ユーザーと新規ユーザーの両方に、Max for Live版とVST版を含むライセンスを提供する予定です。

VST版のリリース時に、Harmonybeamの価格は24ドルから29ドルへ変更する予定です。それまでは、現在の24ドルで購入できます。

Harmonybeam 1.3を入手する

Harmonybeam 1.3は現在公開中です。既存ユーザーは、カスタマーポータルからアップデートをダウンロードできます。

Harmonybeamを初めて知った方は、Harmonybeam製品ページで、Ableton Live内のコード進行制作、ボイスリーディング、リズム、MIDIクリップのワークフローをご覧ください。

Ableton Liveの中で、コード進行を作り、リズムを形にし、ひとつひとつのコードへ動きを与えます。

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